- 退職を考えているけど、何をしたらいいのかわからない
- どうしたら円満に退職できる?
この記事では、このような悩みを抱えた教員の皆さんに向けて、「円満退職のメリット」と「円満に退職する方法」を解説します。
教員から民間企業へ転職したbatakoが経験をもとに解説しますので、ぜひ最後までお付き合いください。
あくまでも心身ともに健康な場合です。健康が1番大切ですので、無理のない範囲で参考にしていただければと思います。
円満退職とは
円満退職とはどのような状況でしょうか?まず「円満」の意味を調べると、以下のように記載されています。
goo辞典
よって円満退職とは、退職によって業務が滞ることなく、スムーズに進むことと考えることができます。
ただ、どれだけ丁寧に引継ぎをしても退職の影響が全くないというのは難しいです。
教員の場合はどの学校でも年度で異動があるため、他の学校への異動と同じように引継ぎをして退職ができれば十分円満に退職できたといえます。
もしもの場合は、連絡して確認してくれるような関係性の先生がいると、より安心ですね。
できる限り迷惑をかけずに退職をすることは、残される先生方にとってだけでなく、退職する側にも大きなメリットがあります。
そのメリットを理解して、今の状況でできる限り円満な退職を目指し、準備を進めていきましょう。
円満退職のメリット
円満退職のメリットは以下の3点です。
- 同僚との関係が継続できる
- 教員に戻りやすくなる
- 祝電や卒業式
1つずつ解説していきます。
同僚との関係が継続できる
長期にわたって築いてきた信頼関係や協力関係は、大きな財産です。
特に教員のようなやりがいの大きい仕事を共に乗り越えてきた同僚は、特別な仲間となっている人も多いのではないでしょうか?
また、退職後の教え子や学校の様子を聞くことができるのも嬉しいですね。
転職時には恩返しをする気持ちで可能な限り円満に退職し、在職時に築いた関係をぜひ大切にしてください。
教員に戻りやすくなる
教員の退職時に最も心の支えとなるのは、「また教員として働くことができる」という点です。
昨今の教員不足により、退職後に正規採用を目指すのも難しくないと思います。
ただ円満な退職できていないと、同じ自治体で働くのはためらいがありますよね。
私は、もし教員に戻るならまた同じ自治体で働きたいと思い、円満退職に努めました。
辞めた翌年度中でも、臨時教員として同じ学校で働かせてくれるという約束までしていただき、退職の不安が半減しました。
祝電や卒業式
4年間と短い教員生活でしたが、教え子が小学校・中学校を卒業する際の祝電を毎年のように作成しています。
学年を組んでいた先生方と連名で出すことの多いため、できることなら先生方と話し合って出したいものです。
また退職後、初任で担任した学年の卒業式があり参列しました。
教え子たちの成長した堂々とした姿に感動したのを今でも覚えています。
できる限り円満に退職する方法
退職の手順は以下の3ステップです。
それぞれで円満な退職に近づけるポイントを解説します。
- 余裕をもって校長に退職の意思を伝える
- 退職願を提出する
- 最終日に向けて
1つずつ解説していきます。
余裕をもって校長に退職の意思を伝える
まずは、校長先生に退職の意思を伝えます。
もちろん理由も聞かれますので、どのように伝えるかしっかりと考えておきましょう。
同じ環境で働いている先生方に、教員の仕事の不満を並べるのはおすすめできません。
「ほかにやりたいことができた」という前向きなものや、「家庭の事情」などによる続けられない事情を中心に伝えるのがよいと思います。
私の場合は、「結婚を考えており、相手も教員で忙しさを考えて二人で教員を続けていくのは難しいと考えたから」と伝えていました。
もちろん退職を考えた理由としてとても大きく、嘘ではありませんが、退職を決めるほどの大きな決定に至るのに、転職理由が1つだけという場合は少ないと思います。
しかし、退職の理由を聞かれた際に、あれもこれもこれも不満で、、と伝えるのではなく、前向きなものや続けられない事情に絞り、教員という仕事自体を否定することなくお伝えすることが大切です。
伝えるタイミングとして、公務員の場合は各自治体で職員服務規程などを定めているため、勤務している自治体によって異なります。
東京都では以下の通り、10日前に申し出るように規定されています。
第十四条 職員は退職しようとするときは、特別の事由がある場合を除き、退職しようとする日の前10日までに、退職願を提出しなければならない
東京都教育委員会職員服務規程
しかし、10日前の申し出では、引継ぎはおろか荷物の片づけも終わりませんので、できるだけ早く伝えることをおすすめします。
具体的に伝えるタイミングとしては以下の3つです。上から順に、円満度は高まります。
- 秋の人事調書のタイミング
- 2学期末
- 転職が決まったタイミング
秋の人事調書のタイミング
秋の人事調書では、退職や異動の希望を提出します。
秋に退職の意思が固まっている場合には、このタイミングがおすすめです。
すべての先生が提出するので、1対1で自然に伝えることができます。
私が勤めた自治体では常時、臨時教員が約100名待ち(教員の数が規定より不足していても、あと100名臨時教員の応募が来ないと補充されない)という状況でした。
そのため私の退職により、年度初めから1人不足となるのはどうしても避けたいという思いがあり、秋の人事調書で退職と記載して校長先生に伝えました。
しかし校長先生によると、12月末までに退職を伝えれば人事異動には間に合うとのことで、「年内でもう少し考えてみて」と温かい言葉をもらいました。
自治体にもよるかと思いますが、まだ決断しきれない方は、相談ベースで伝えておき、人事調書は存続の想定で記載してもよいと思います。
2学期末
上にも記載した通り、自治体にもよりますが次年度の人事異動への影響を最小限に退職することができます。
3学期は年度末に向けて何かと忙しい時期になりますので、校長先生に時間を取ってもらうことを考えてもおすすめのタイミングです。
また、すっきりした気持ちで年始を迎えられるのもメリットだと思います。
転職が決まったタイミング
民間企業からの転職では最も一般的なタイミングです。
4月以降の入社が確定しているので、年末から少しずつ内定がでることが多いと思います。
内定が出る前に退職を決めるのは、プレッシャーが大きく精神的に追い詰められます。
退職を公言しないことで、面接でも「受からなくても教員を続けられる」と思うことで余裕ができ、パフォーマンスが向上するともいわれています。
志望企業の選考スケジュールとして、1月中ぐらいには結果がでる場合は、内定が出てからでもよいと思います。
決まり次第すぐに伝えられる準備をして、人事異動への影響が少なくなるように努めましょう。
他の先生方に伝えるタイミングとしては、校長先生に伝えたあとでも大丈夫です。
私は学年を組んだ先生方に本当にお世話になったので、1学期中に相談ベースでお伝えしていました。
また、年度末に来年度の人事を決めるにあたり、校長先生から主任等には伝えざるを得ない可能性があります。
その前に伝えておきたいと考え、人事調書提出後はタイミングを見計らい、関わりのあった先生方には直接伝えていきました。
退職願を提出する
校長先生に退職の意思を伝えるタイミングでは用意する必要はありません。
基本的には自治体ごとに決まった形式があり、そのテンプレートを渡されて同じ形式で作成するように言われました。
あまりにも直前すぎる場合でなければ、校長先生の指示に従って作成すればよいと思います。
その他、退職にあたり必要な書類も多々ありますが、基本的に事務の方が準備してくれますので、指示に従って作成すれば大丈夫です。
最終日に向けて
最終日に向けて、荷物の片づけや引き継ぎを進めていきましょう。
これまで使用したプリントをすべてファイリングしていたファイルや、100円ショップで買い集めたプラケースなどほとんどを新任の先生方に引き取ってもらいました。
学級の引き継ぎについて3月末退職の場合は、他の先生と同様に行えば問題ありません。主任の校務分掌で、副主任も一緒に異動してしまう場合などは、資料を整理して確実に引き継ぎを行いましょう。
最終日はお世話になった先生方に、手紙やちょっとした品物を贈ることをおすすめします。
学校の文化にもよるかもしれませんが、私が在籍していた学校は退職や異動の先生方へ有志でプレゼントを贈るほか、個人的にも渡すことが多くありました。
もらいっぱなしにならによう、送ってくれそうな人数+3個分ぐらいのプレゼントを用意しておくと安心です。
まとめ
「円満退職のメリット」と「円満に退職する方法」を紹介しました。
円満退職のメリットは以下の3点
- 同僚との関係が継続できる
- 教員に戻りやすくなる
- 祝電や卒業式
退職の手順は以下の3ステップでした。
- 余裕をもって校長に退職の意思を伝える
- 退職願を提出する
- 最終日に向けて
退職は決して悪いことではありません。
ただ、引継ぎもせずに突然退職をすると、残された先生方には大きな負担がかかってしまうため、どのように辞めるかがとても大切です。
退職を決意したら、ほかの先生方の立場になって、退職の影響が小さくなるように準備を進めていきましょう。